もう弟なんてやめてやる。
「ずっと…、苦しかった。雫がいつ誰に奪われるかわからない恐怖と、雫に触れたいって思うこの感情に…、ずっと小さい時から苦しかった」

「!?」


陸の言葉にあたしはただ呆然と
陸を見てることしか

出来なくて。


足が、震えた。


「ごめんな、好きになって…。でも、もう限界…」

「り、く…?」



悲しそうに
苦しそうに

切ない顔で


陸は続けてこう言った。



「…もう、解るでしょ?言ってしまった以上、前みたいな姉弟には戻れないんだよ。俺が、戻れない」

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