もう弟なんてやめてやる。

ガラッ…


扉の開く音に
雫の肩がビクッと震えた。



「…雫?」

「……幸く、っ」

「陸から聞いた」

「……幸くんは、知ってたの?」

「うん。…でも陸の口から聞いたのは今日が初めてだけど」

「あ、たし…どうしたらいいの…」



このままじゃ

陸が離れていきそうで、
もう話せない気がして、

不安に─────、押しつぶされる。



「…陸のことは、暫く俺が預かるわ」

「え…?」

「アイツさ、今凄いテンパってんだよ」

「…っ」

「だから落ち着くまで時間がかかると思うからさ…、その…陸とは…距離を置いてほしい」

「…………」

「それに雫も、混乱してるだろ?」


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