もう弟なんてやめてやる。
幸くんは陸を想って
あたしを想って

そう言ってくれてるんだ…



「…分かった。陸のこと、お願いします」

「……うん」

「あたし、は大丈夫だから。ちょっと混乱したけど…」



だけど、

何でだろう。


幸くんが考えてくれての発言だって
頭では分かってるのに…


陸に“拒絶”されてるみたいで、


──────悲しい。


「じゃぁ、あたし自分の教室に戻るね」


そう言ってあたしは
教室を出た。



「…………」


雫を見届けて、
飯田がスマホをタップ。

穂乃華へメールした。



『もし、最悪なことになったら…陸と雫は少し距離を置かせようと思ってる。きっと2人とも、ボロボロになる』

『それはあたしも思ってた。2人の気持ちには差が有りすぎる』

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