もう弟なんてやめてやる。
あの時遊園地で、

芹沢とそう話した。


まさかそれを翌日に
やることになるとは

思わなかったけど……



カタン…



「!…びっくりしたじゃねぇか、陸」

「……雫、は?」

「教室に戻った」

「……あのさ…飯田も知ってるってことは芹沢も、知ってんの?…その…」

「…知ってたよ。つか、気付いてた」

「…は、なんだ…必死に隠してたつもり…なのに参ったな…」



“お前らには適わないよ”



そう言って
陸が困ったように笑った。



「隠し通せてない程、マジだったってことだろ」

「………」

「…こんな時くらい、笑わずに泣けばいいじゃねぇか。ほら、泣け泣け」

「はは、うざ…。でも、さんきゅ…」

< 83 / 393 >

この作品をシェア

pagetop