図書館のカガミ
「こちらこそよろしくお願いします。」
険しく冷たい瞳をいきなり緩めにこり…と微笑む香神主任の変わり身の早さに苦笑いした。
「あ…あの…先程は挨拶が遅れてしまって申し訳ありませんでした。」
香神主任の緩んだ形相が変わらない内に私は挨拶が遅れた事を謝罪すると…彼は“いやいや~”といいつつまた両腕に大きな荷物を抱えた。
「さあ…。
行きましょう!!
図書館の道のりご案内しますよ‥。」
「えっ……。
は…はいっ……!!」
それだけ言い残しスタスタと公園をあとにした彼の後を追いかけこうして私の図書館…初出勤は幕を開けようとしていた。