図書館のカガミ



自分の目の前を塞ぐ車とふわりと風で髪がなびいた後遅れて横断歩道の電子オルゴール的な“通りゃんせ”の音楽が軽快に流れた。



「クスクス~!!」


黄色い帽子を被った小学生の男の子と女の子が私達の両脇を笑いながら通り抜け横断歩道を渡っていく。



パチパチとまばたきしながらその小学生達の背中を見送る最中しっかりと引き寄せられたがっちりとした手がゆっくり解かれた。
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