運命という名の中で…only you


それは 翔太のだ。


翔太は 学生寮に よく来てたんだ
うちの学生寮は 厳しい決まりなど
なかったから 誰が来ようが
大丈夫だったから。


翔太が忘れて帰って
『今度持っていくわ』
って 言うと
『それ予備のラケットだからいいよ!
また取りに行くし』
と 言ってて そのまま ずるずると…。


結局別れてしまって
返すことも 棄てるわけにもいかず
学生寮から このアパートに運んでしまったのだ。


「ううん あたしのじゃないよ」


それで 話は終わると思ってたのに。


「誰の?友達?」


って…。


「えっ…あぁ…うん」


「もしかしてさぁ
元カレとかじゃないよね?」


「…あっ…」






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