込坂さんと洛南学園の日常

「やっぱりもったいないと思わない?」
「は?」
「塾の友達から聞いたんだけどさー、部活入っておくといいらしいよ。とくに中高はね。体力付くしねー」
(塾の友達とやらの受け売りか)

込坂さんは心底うんざりしてこう言った。

「別によくないー?帰宅部だって。帰宅部もれっきとした部活動だよ」
「えー、そうかな」
「だったらなんで帰宅部、部ってついてんの」
「いや、それはね…」
「でしょ?つまり部活動。帰宅部は安全に家に帰るまでが部活なんだ!」
「いやそれマジな顔して言うもんじゃないからね!?」

そして込坂さんはそれをものすごく真面目に信じていた。
国田はとりあえず、もうすぐ予鈴が鳴ってしまうので席に着くことにした。

(やっぱり、桜は変な奴だ…)

軽くため息をついた。
一度きりの青春時代を台無しにしてしまっていいのだろうかと。


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