-かなめひめ-
転校生は、狼のような、睨みつけられたら思わず足がすくんでしまうような双眸で、燈たちを見据える。
その様は、まるで獲物を品定めをしているかのようだ。
だが、玲奈の言う通り、確かに目鼻立ちが整った...いわゆる「イケメン」であった。顔をよく見てみると、左頬に一文字の傷跡があるのが分かる。
田中のように身体を鍛えているのか、腕は私が今まで見てきた男子生徒よりも筋肉質で太い。
それなのに、一見すると至って痩せて見えるのは、着痩せするタイプなのだからだろうか。
その転校生は、引き締まった唇を開くと、あまり気持ちのこもっていない低い声で話す。
「...シキガミだ。宜しく頼む」
シキガミ。
燈は思わず首を捻っていた。何とも珍しい苗字だなと思っていた。
黒板に名前を書かなかったために、燈にはシキガミの漢字がわからなかった。
何となく考えると、一つの考えが頭をよぎった。
______式神?
いつか読んだことのある古い本に、それについて詳しく綴られていたような気がする。
詳しくは、あまり覚えてはいないが。
シキガミは、それだけ告げると、それ以上は何も言わずに私の方へ歩いて行き、燈の後ろの空いている席へすとん、と座り込んだ。
隣の女子に挨拶せずに、そのまま頬杖をついた。
なるほど、だから後ろが空いていたのか____燈は一人で納得する。
同時に、緊張感が燈の中で増幅し始めた。
「(わ、私の後ろに...ちょい怖そうな転校生がいつもいるってことかー...!)」
自分の後ろには常に狼がいるような感じだ。
いつ喰われても(?)おかしくはない。
その様は、まるで獲物を品定めをしているかのようだ。
だが、玲奈の言う通り、確かに目鼻立ちが整った...いわゆる「イケメン」であった。顔をよく見てみると、左頬に一文字の傷跡があるのが分かる。
田中のように身体を鍛えているのか、腕は私が今まで見てきた男子生徒よりも筋肉質で太い。
それなのに、一見すると至って痩せて見えるのは、着痩せするタイプなのだからだろうか。
その転校生は、引き締まった唇を開くと、あまり気持ちのこもっていない低い声で話す。
「...シキガミだ。宜しく頼む」
シキガミ。
燈は思わず首を捻っていた。何とも珍しい苗字だなと思っていた。
黒板に名前を書かなかったために、燈にはシキガミの漢字がわからなかった。
何となく考えると、一つの考えが頭をよぎった。
______式神?
いつか読んだことのある古い本に、それについて詳しく綴られていたような気がする。
詳しくは、あまり覚えてはいないが。
シキガミは、それだけ告げると、それ以上は何も言わずに私の方へ歩いて行き、燈の後ろの空いている席へすとん、と座り込んだ。
隣の女子に挨拶せずに、そのまま頬杖をついた。
なるほど、だから後ろが空いていたのか____燈は一人で納得する。
同時に、緊張感が燈の中で増幅し始めた。
「(わ、私の後ろに...ちょい怖そうな転校生がいつもいるってことかー...!)」
自分の後ろには常に狼がいるような感じだ。
いつ喰われても(?)おかしくはない。