-かなめひめ-
思い切り吹いてしまった燈を見て、玲奈は怪訝そうな表情を浮かべる。
そして、薄い桜色の形のいい唇を尖らせた。
「何よー、イケメンの男子転校生よ?
ワクワクするのも当然の話じゃなーい」
燈は背中を震わせながら、玲奈にハハハと笑って見せた。
その瞬間、燈は表情筋を一気に脱力し、真顔に瞬時に戻る。
「嘘でしょ」
「嘘じゃなーい!本当ですー!」
きっぱりと否定すると、玲奈はお菓子をねだるまだ小さな子供のように、両腕を上下に早く動かした。
玲奈のキリッとしたクールな顏がちょっと可愛く見えて、加えてクールな雰囲気からは想像のつかない、可愛らしげなその動きもあって、燈はついつい笑ってしまった。
白錦東高等学校。
玲奈の言う通り、この高校は「ド田舎高校」と呼ばれるには間違いはなかった。
ただでさえ人口が少なく、小さな町の「白錦町」では、大きな高校はここと、あと一つくらいしかないと思う。
どちらも在校している生徒数は限りなく少なく、ある年ではたったの二組しかなかった時もある。
因みに、燈の学年も二組しかなく、燈はその二番目である「2-2」である。
こんなものだから、体育祭やら文化祭やら、どれも活気なくてとても寂しい気分になる。
なんてたって生徒が少なすぎるのだから、しょうがないと言ったらそれまでなのだが。
とりあえず、そんなド田舎高校に転校生が入るということは、あまりにも珍し過ぎることであったのだ。
そして、薄い桜色の形のいい唇を尖らせた。
「何よー、イケメンの男子転校生よ?
ワクワクするのも当然の話じゃなーい」
燈は背中を震わせながら、玲奈にハハハと笑って見せた。
その瞬間、燈は表情筋を一気に脱力し、真顔に瞬時に戻る。
「嘘でしょ」
「嘘じゃなーい!本当ですー!」
きっぱりと否定すると、玲奈はお菓子をねだるまだ小さな子供のように、両腕を上下に早く動かした。
玲奈のキリッとしたクールな顏がちょっと可愛く見えて、加えてクールな雰囲気からは想像のつかない、可愛らしげなその動きもあって、燈はついつい笑ってしまった。
白錦東高等学校。
玲奈の言う通り、この高校は「ド田舎高校」と呼ばれるには間違いはなかった。
ただでさえ人口が少なく、小さな町の「白錦町」では、大きな高校はここと、あと一つくらいしかないと思う。
どちらも在校している生徒数は限りなく少なく、ある年ではたったの二組しかなかった時もある。
因みに、燈の学年も二組しかなく、燈はその二番目である「2-2」である。
こんなものだから、体育祭やら文化祭やら、どれも活気なくてとても寂しい気分になる。
なんてたって生徒が少なすぎるのだから、しょうがないと言ったらそれまでなのだが。
とりあえず、そんなド田舎高校に転校生が入るということは、あまりにも珍し過ぎることであったのだ。