恋する乙女の大追撃
距離
白峰高校。
今日からの新生活に胸をトキメかせながら門の前で深呼吸をした。
やっと、やっと、会えるんだ…!
「ムフッ、ムフフ…」
__スパァンッ
「キモい」
「イテテ…。アコ~、何すんのさあ」
あたしの頭を殴ってきたのは、相方の森下亜子。
保育園の頃からの親友…、つまり幼馴染みってやつ。
殴られたにも関わらず、未だへらへらしているあたしに呆れた様子を見せる亜子。
「アンタ、自分に向けられてる周囲の目分かってんの?」
周囲の目?
左右を見ると、分かりやすく目を逸らす生徒達。
「ねぇ、今目逸らされたんだけど!何で?!どうして?!!」
「アンタがキモい笑いしてるからでしょ」
「アコちゃん、厳しぃ~!」
「取り敢えず、クラスを見に行きましょ」
「はーい」
亀井彩花、15歳。
今日から華の高校生です!