第2弾しましまパンツマン
「お、女将さん!!」

「えっ」

後ろを振り向く仲居頭をしっかりまいて、イチノは隙を見て逃げた。

「また、やられた……」

仲居頭は、イチノに1本取られた悔しさと数ヶ月前の悪夢が甦り、深い溜め息をついた。

チキショーーっ、桜太夫ばりに思い切り叫びたいのを堪え、笑顔をつくる。

「百面相かい!?」

番頭に見られていたのにさえも気付いていなかった。

「女将が少し具合悪そうだから、しっかりしてくれよ」

「はい」

仲居頭はMHK教育番組「蒸気機関車メチョギントン」ばりに頭から湯気が上がりそうだった。



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