第2弾しましまパンツマン
「そうだな、おい!」

理久は、詩月をつつく。

「……わかった」

顔を上げコップの水を一気に飲み、詩月はヴァイオリンケースからヴァイオリンを取り出した。

今まで突っ伏し伸びていたとは思えない、凛とした顔をしている。

一目見て高級な楽器とわかる、艶やかな光沢を放つオールドヴァイオリンを手早く調弦し、詩月はすくっと立ち上がった。

颯爽とヴァイオリンを構え、曲を弾き始める。

生で、間近に弾くヴァイオリン演奏。
元曲を残しつつも、かなりアレンジされた「Jupiter」を意図も容易く弾きこなす。

軽快なリズム、アップテンポの「Jupiter」は、運指も弓の上げ下げも半端なく忙しい。

CMでは、僅かに1分弱程の演奏だが、実際には3分半弱に収めたアレンジだ。

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