第2弾しましまパンツマン
眉間に皺を寄せた理久の顔が、更に険しくなった。

「顔、恐いよ。桃次郎侍みたいな顔……1つ人の生き血を啜り、2つ……」

「知らねぇよ、桃次郎侍なんか」

「でも、凄い演奏をするようになった。以前に増してね。実際、Nフィルは毎回客入りが増え、客層が厚くなってるようだ」

「当たり前だ。それだけ努力してるんだ」

「引き抜きの話も幾つかあるらしいけれど、周桜には目指してるコンクールがあるみたいだ」

「ふーん」

畳の上に転がされた詩月をちらと見ながら、関心無さげに言う。

「なかなか起きないな。よほどインパクトが」

「……こいつ、マジに寝ている」

理久が呆れたように声を上げた。



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