第2弾しましまパンツマン
「そう、呼ばれることもあるが……そなた、失せ物の相がある」

梅サクラは眉1つ、動じない。

首を傾げながら、詩月は怖々と梅サクラを見る。

「時にヴァイオリンは異常ないか?」

「ヴァイオリン!? ガダニーニが何か?」

「半神半馬の名器だな」

「!……なかなか通だね、梅サクラさん」

「拝見させて頂こうか」

ずしりと響く張りのある声に詩月は、背筋に冷たいものが走るのを感じた。

ヴァイオリンケースごと、机の上に置き蓋を開ける。

とくに変わった様子はない。


梅サクラはヴァイオリンの上にスッと手を翳し、なぞるようにすべらせた。


「臨、鋲、闘、者、皆、陣、列、在、前」

呪を唱え、指で空を縦に4線、横に5線を描き印を結び懐からヒラリ、札を取り出した。



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