大好きな君に
前の席なのに何故か、寂しそうな顔をする。


『帰り、一緒に帰ろ?』


『うん!!!』

嬉しそうに頷く。
犬だったらしっぽがちぎれそうなくらいに。


それから2時間つまらない授業を聞いた。


『ここちゃん!!かーえろっ?!

『牧原~ちょっと』


光太郎をクラスメイトの佐々木くんが呼び止める。

ふとドアに目をやると、

小さい、可愛い女の子が立っていた。

嫌でも分かる…この展開…


光太郎を見ると、スッと真顔になる。

『え…』

今まで、こんな顔をした光太郎を見たことがない。

そして、2人はどこかへ消える。


気になる、でも……気になる。

よし!追いかけよう!

こっちに確か行ったはず……

すると、空き教室が少しだけ開いていた。

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