大好きな君に
見たことのない表情に冷たい口調。
怖くて、話しかけることができない

なにか話さなくちゃ……

え、えっと……


そう考えていると教室に着いた。


もう誰も居なくて、夕陽が差していていつもとは違う教室に感じた。


『心愛…』

『ん?どうしたの?』

真剣な声で私を呼び捨てで呼ぶ。

『心愛…離れてかないで?』

光太郎に背を向けてた私は、光太郎の表情は見えない。


『…は、なれないよ?』

背を向けたまま、言う。

『今日俺んちきて?』


『うん』


『じゃあ行こっか?』

自然に、手を繋いでくる。

お互い無言のまま光太郎の家へ行く。

光太郎のお家は歩いて行ける。


『さっ上がって!
あ、部屋掃除してないから汚いや。』

いつもの光太郎だ。

『光太郎が掃除してないなんて珍しいねー』

私もいつも通りにしなくちゃ。




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