大好きな君に
先輩と後輩


「先輩!必ず追いかけます!」

卒業式の日、私に付き纏っていた後輩くんはそう言って、

私の前から消えた。



毎日のように来ていたメールも待ち伏せされていた朝も、二度とこなかった。





______入学式


高校でも変わらず優等生とされた私は生徒会に入った。

(はぁーなんでみんなが休みなのに出なきゃいけないんだろ…)

憂鬱な気持ちを体全体で醸し出しながら、校舎へはいる。


(もう1年か)

早かったのか、分からないけれど私が入学してから一年が経った。

ふと、中学の卒業式で言われたことを思い出す。

(まさかね。もう私のことなんて忘れてるかな。)

私の仕事は保護者へのプログラムの配布だ。

「さやちゃん、おはよう。プログラム追加分の持ってきたよ」

「あ、可菜ちゃんおはよう。ごめん、ありがとう。」


一緒に生徒会に入った田中可菜ちゃん。おっとりしているけど、仕事となるとテキパキ動く、出来る系女子だ。
その上女子力も高い。

「もうそろ、校門開くねー。」


ふと、その声で校門も見る。
すると男の子が一人校門に寄りかかっていた。後ろ向きだから顔は見えないが、175cmから180cmはあるだろうか。
(新入生かな。)



「あ、校門開いたー」

その声でずっと、眺めていたと気付く


ふとプログラムを見つめた。



「せん…ぱい?」
< 17 / 35 >

この作品をシェア

pagetop