大好きな君に
先輩と後輩
「先輩!必ず追いかけます!」
卒業式の日、私に付き纏っていた後輩くんはそう言って、
私の前から消えた。
毎日のように来ていたメールも待ち伏せされていた朝も、二度とこなかった。
______入学式
高校でも変わらず優等生とされた私は生徒会に入った。
(はぁーなんでみんなが休みなのに出なきゃいけないんだろ…)
憂鬱な気持ちを体全体で醸し出しながら、校舎へはいる。
(もう1年か)
早かったのか、分からないけれど私が入学してから一年が経った。
ふと、中学の卒業式で言われたことを思い出す。
(まさかね。もう私のことなんて忘れてるかな。)
私の仕事は保護者へのプログラムの配布だ。
「さやちゃん、おはよう。プログラム追加分の持ってきたよ」
「あ、可菜ちゃんおはよう。ごめん、ありがとう。」
一緒に生徒会に入った田中可菜ちゃん。おっとりしているけど、仕事となるとテキパキ動く、出来る系女子だ。
その上女子力も高い。
「もうそろ、校門開くねー。」
ふと、その声で校門も見る。
すると男の子が一人校門に寄りかかっていた。後ろ向きだから顔は見えないが、175cmから180cmはあるだろうか。
(新入生かな。)
「あ、校門開いたー」
その声でずっと、眺めていたと気付く
。
ふとプログラムを見つめた。
「せん…ぱい?」