大好きな君に
その声に顔を上げる。

「え、と?」

「やっぱり先輩だ!!あれ覚えてないですか?黒崎です!」

「え、後輩くん?」


見た目じゃ分からないのは無理もない。
1年前とは全然違う。
スラリと伸びた身長に、可愛い顔にプラスしてかっこよさも混ざってる。あの時は小さく感じた手のひらでさえも今は大きくてゴツゴツしている。



「先輩、綺麗になりましたね。追いついたと思ったのに。」

「黒崎くんも、カッコ良くなったね。」

「え?!」

黒崎くんの顔は茹でだこ状態だ。

「ふふ。そういうところは変わってないね。」

「先輩!追いかけてきました!」

「まさかと思った。」

「先輩って超頭いいんですね……」

「ふふ。」

「先輩ずっと好きでした!受験勉強も手につかない日もありましたけど、頑張りました。先輩にとって恥ずかしくないような男になりたいと思って、付き合ってもらえますか?」

「ふふ。頑張ったんだね。いいよ。」

「え?!」

目が驚きで丸くなっている。

「黒崎くん、卒業式に告白してくれるのかと思ったら全然だったからびっくりしちゃった。」

「せん、先輩?」

「そしたら連絡もないし、朝も待ってないし。」

「あの、本当にいいんですか?」

「浮気したら東京湾に沈める。」

「え?!え?本当に?これ夢とかじゃないですよね?!」

「ふふ。黒崎くんのストーカーに負けちゃった。」

照れた黒崎くんは変わらず可愛かった。






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