大好きな君に


「ただいま」

「おかえり」

「シャワー浴びてくるねー」

極めて明るく、お昼の時の気持ちなんか微塵も出さなかった。なのに

「涼乃。」

たった一言なのに、私を止めるには簡単

「どうしたの?薫」

「それは、こっちのセリフ。なんか変な事、考えてない?」

俯いてたせいで気付かなかった。薫が近くに来たことに。
がしっと腕を掴まれる。普段、勉強しかしてないような細い体なのに力は強くて言葉が途切れる。
「か、ん、がえてないよ。」

「嘘だね。大方、どうして私といてくれるんだろうとか?だろ。」

「……っ(なんで)」

ますます掴まれてる腕は強くなる。

「ばかだねぇ、ばかだよ。今度そんなこと考えてみろよ。監禁するぞ」

「わ、わかった!ごめんなさい!」

目が、目が本気だった!

パッと手を離し、私を見下し鼻で笑うと

「体に刻もうか?ん?もういっそのこと、壊そうか?」


「もう、充分です!ごめんなさい!」

私は逃げるようにお風呂場へ向かった。

「涼乃は分かってない。どれだけ好きなのか。」
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