大好きな君に
『優亜ちゃんっていうんだよね?』
……チャラい却下。
『うんそうです。』
とりあえず笑おう。
『お酒弱いの?』
『そうですね、あまり強くないです。』
『そうなんだ、可愛いね。』
…お酒弱いのが可愛いの?
ちょっと怪訝な顔をしていると
横から黒い影が現れた。
『淳(アツシ)その辺にしとけ、あ、アイツお前のこと狙ってるってよ?』
『まじ?じゃあ、お前に任せた。』
……助かった。
『あ、迷惑だった?』
『…いえ、逆に助かりました。』
『そっか、それなら良かった。』
それからあまり会話はなくて、ぼーっとたこわさを見ていた。
沈黙が心地いい。
何も喋らなくても、安心できて、喋らせようという圧力もない。
こんな人に出会えたのは初めてだった。
『……あのー名前なんていうんですか?』
聞いてなかったの?って笑いながら、
『優しく輝くって書いて優輝(ゆうき)』
『優輝…さん…』
なに?って優しく返事をしてくれたその笑顔に、見とれた。