大好きな君に
優輝さんのことでいっぱいになってた頭が、すぐ現実へと戻された気がした。


『今の、誰?』


弱々しい声だった。


『…好き、になる予定の人。』


『はっ…?俺を好きだったんじゃないのか?』


『前は…ね。』


『……前って。』


『さんざん私の前で彼女出来たって浮かれてて、それに私がどれだけ傷ついたかわかる?でも私が好きだって気づいたから付き合ってって。そんなの都合良すぎるんじゃない?』


『ごめん。』


『、その言葉で全部済まそうって?』


『そう、だよな。今更だよな…ホントごめん。』


『でも、ちゃんと私は夏樹が好きだったよ。だから彼女と会ったときも辛かったし、傷ついたし嫉妬した。でも、付き合えない。ごめんね、夏樹。』


『いい…ありがとう…好きでいてくれて。ありがとう、断ってくれて。じゃあな、優亜。』


涙目の夏樹を見送って、恋ってタイミングなんだなって思った。


一週間でも早く夏樹が気持ちを伝えてきてたら、私が夏樹に気持ちを伝えていたら、私と夏樹は付き合ってて優輝さんには出会わなかったかもしれない。


だから運命だとも思えるのかもしれない。


目の前の恋を全力で、大切にしよう。
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