大好きな君に
「萌花?どうしたの?」
「麻衣ちゃん!ちょっと来て!」
向かうところは部室。
「黒瀬くんに告白した!」
「で!それで?」
「つ、付き合ってくれるって。」
「ふぅんやっとか。」
「やっとか。って!だってあの黒瀬くんだよ?!もー緊張したよぅ。」
「頑張ったね、萌花」
「うんありがとう」
それからいつも通り部活をして、帰り。
「麻衣ちゃん、どうしよう」
「なに?一緒に帰るんでしょ?」
「緊張する。」
「自習室でしょ?そこまで行ってあげるから」
「ありがとーう」
部室からでて数歩歩くと、自習室がある。
自習室の前には黒瀬くんが立っていた。
「黒瀬くん!」
「萌花、お疲れ様」
「じゃあ私帰るわー」
「うんまた明日ね、麻衣ちゃん!」
「うんまた、あ、黒瀬、萌花のこと泣かすなよ。」
「あぁうん分かってるよ(睨まれた)」
「黒瀬くん、帰ろっか?」
返事がない
「え、黒瀬くん?」
「………」
「黒瀬くん?」
「名前」
ボソッと呟く
「え、」
「名前で呼んでくれないんだ。」
「ひ、紘くん」
「なーに?」
満面の笑みの黒、紘くん。
「帰ろう?」
下駄箱でローファーを出して紘くんの元へと歩く。
「手、繋ご?」
こてん
また、その仕草…。
分かってやってるんだとしたら、大成功だよ。紘くん。
おずおずと手を出すと
ぐいっ
「可愛い」
強引に手を引いて、指を絡める
……恋人繋ぎ…。