新しい風
それから数日間、私は何もする気になれなかった。
お通夜もお葬式も全ておばさんに任せっぱなし。
その上、私の面倒まで見てもらう始末。

『美紗、大丈夫か?』
私に声をかけてきたのは従兄弟の誠。
誠は私より5歳上で大学3年生。
『うん、平気!私、帰るね!』
私は笑顔で立ち上がった。
『無理すんなよ?』
心配そうな誠。
『大丈夫だって!』
私は無理矢理笑顔を作った。
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