Dear・・・
行きとは違い、帰りはくだらない会話が弾んだ。


スタジオに入ると、待ってたと言わんばかりに、礼人が近寄ってきた。


そして、コーラも受け取るとまた元の場所に戻って行った。


博昭は智貴の横へ座り、烏龍茶を手渡した。


慶介は、翔太の下へ行く。


そして、横に腰掛けた。


そっと、買ってきた紅茶を置く。


気づいた翔太が顔をあげ、ヘッドフォンを外した。


「翔太…これでいい?」


心配そうに翔太の顔を伺い尋ねる。


「ありがとう」


翔太は優しく微笑み言った。


その笑顔にほっとした慶介は小さな声で囁いた。


「ごめん…」


翔太は一瞬、驚いた表情を見せたが、すぐまた優しい笑みに戻る。


「もう、気にしなくて良いよ。俺こそ、ごめん」


まわりが騒ぎながら藤田を待つ間、慶介は静かに翔太の横に座り本を読む姿を見つめ続けた。
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