Dear・・・
「なぁ、この子らCD出してんの?」


「デビューシングルの発売は七月ですよ。インディーズの時に出したCDがあったけど…香子気になりました?」


嬉しそうに由香がいう。


「あほ、あたしちゃうわ!娘に買うたろうかなって」


「なんや。でも、娘さんにあげるならインディーズやった意味ないですよね。優人おらんし」


別にCDなら誰がいなかろうが関係ないのではと、香子は思った。


ファンにはそこも重要なのかと納得する。


「せや!この前O・C・Tの特集やってた雑誌あったしそれとかどうです?」


「じゃあそれにしよかな。もちろん買うの付き合ってくれるんやろ?」


「もちろんです」


こういう世界はどうも馴染めないと香子は感じた。


昼食を終えた二人は食堂を後にした。
< 106 / 214 >

この作品をシェア

pagetop