Dear・・・
第五章・すれ違い

休日[Keisuke.side]

博昭に話した時から、翔太と慶介の間は前の様に戻った。


収録後も一緒に帰るようになった。 


今日は仕事も学校も無いという事で、慶介はいつもより遅く目覚めた。


時計の針は一時を回っている。


五月下旬だと言うのに、目覚めたばかりで肌寒く感じる今日は、布団から出る気を萎えさせた。


慶介は布団に潜り込み、携帯を手に取る。


メールが来ていた友人へと返信する。


ふと、治の事が頭に浮かんだ。


続いて博昭の言葉も。


慶介は受信ボックスを見直し、昔に来た番号の打たれたメールを探し出す。


そして、意を決し、発信ボタンを押した。


呼び出し音が鳴り続ける中、慶介の緊張は限界に達していた。
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