Dear・・・
そして、慶介は自分の携帯が無い事に気づいた。
テーブルの上を見回して探す。
「慶介君のこっちだよ」
慶介が探しているのに気づき、優人が手渡した。
お礼を言いつつも、場所が動いている携帯に戸惑いを隠せなかった。
「え?なんでそっちにあるの?」
「さっき翔君が自分の携帯探すのに使ってたの」
「翔太が俺の携帯使ったの?」
慶介の顔が強張る。
「うん。なんか掛けるのにちょっと手間取ってたみたいだけど」
「で、翔太は?」
「なんか親から電話があるって電話掛けに店出て行ったよ」
優人の言葉に体から血が引いていくのが分かった。
翔太が携帯を見た。
非通知設定の発信など明らかにおかしい。
翔太が絶対に見たとは言い切れないが、その逆も言い切れない。
「翔太、電話を掛けに店を出たんだよね?」
「そうだよ」
という優人の言葉を聞くと同時に慶介は席を立った。
本当に親に電話を掛けていることを祈りながら翔太の後を追い店を出た。
突然席を立った慶介を不思議に思いながら優人が眼で追う。
と、その時勢い良く兄にビールをかけられた。
実際はこぼしてしまっただけなのだが、そのかかり具合は尋常ではなく故意があるようにしか思えない。
「ちょっとお兄ちゃん!」
ずぶ濡れになった服で焦り、慶介の慌てた姿など優人の頭には残らなかった。
テーブルの上を見回して探す。
「慶介君のこっちだよ」
慶介が探しているのに気づき、優人が手渡した。
お礼を言いつつも、場所が動いている携帯に戸惑いを隠せなかった。
「え?なんでそっちにあるの?」
「さっき翔君が自分の携帯探すのに使ってたの」
「翔太が俺の携帯使ったの?」
慶介の顔が強張る。
「うん。なんか掛けるのにちょっと手間取ってたみたいだけど」
「で、翔太は?」
「なんか親から電話があるって電話掛けに店出て行ったよ」
優人の言葉に体から血が引いていくのが分かった。
翔太が携帯を見た。
非通知設定の発信など明らかにおかしい。
翔太が絶対に見たとは言い切れないが、その逆も言い切れない。
「翔太、電話を掛けに店を出たんだよね?」
「そうだよ」
という優人の言葉を聞くと同時に慶介は席を立った。
本当に親に電話を掛けていることを祈りながら翔太の後を追い店を出た。
突然席を立った慶介を不思議に思いながら優人が眼で追う。
と、その時勢い良く兄にビールをかけられた。
実際はこぼしてしまっただけなのだが、そのかかり具合は尋常ではなく故意があるようにしか思えない。
「ちょっとお兄ちゃん!」
ずぶ濡れになった服で焦り、慶介の慌てた姿など優人の頭には残らなかった。