Dear・・・
「慶に聞いて下さい」


治の口から出た精一杯の言葉。


しかし、相手はそれに満足するどころか慶介へ話を流した事に苛立ちは頂点に達した。


「死ねよオッサン。俺は慶介じゃなくててめえに聞いてるんだよ」


「だから慶に聞いてください」


「おい、オッサン。死ねよマジで。てめえの口から説明しろってのがわからねえのかよ」


冷静さを失った二人に会話が出来る訳がなく、同じやり取りを何度も繰り返す。


「死ねよ、ジジイ。質問に答えろや」


この言葉を最後に、治が一方的に電話を切った。
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