Dear・・・
「和也、お父さん!朝ごはんですよ!」


二人の返事を確認し、ダイニングへと戻った。


「綾、ご飯やから席に着きなさい。それにお父さんも降りてきはるし、テレビ変えや」


綾はふてぶてしく返事をし、リモコンを持ってテーブルへ向かった。


大きな音を立てて和也が降りてきた。


元気の良い挨拶が心地よい。


和也は綾の正面の席に着いた。


「お前、何見とんねん。変えろや」


和也がつまらなさそうに綾に言った。


「いやや。お母さんがお父さん降りてくるまで良いって言うたもん」


綾の言葉に和也はそれ以上何も言わず一緒に見ていた。


もともと仲の良い二人のため喧嘩をすることがない。


鈍い音を響かせ階段を下りる音がする。


治だ。


「綾、お父さん降りてきはったよ」


香子が言う。


少し、綾が駄々をこねるが、さっと和也がリモコンを奪いニュースへ変えた。


「おはよう」


変えたと同時に治がダイニングに現れた。
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