Dear・・・

地元[Keisuke.side]

ライブから二週間。


あの日のおかげで、五人の知名度が一気に上がり、テレビや雑誌に引っ張りだこで休む暇がなかった。


そして、七月末。


ようやく、半日だけの休日をもらえた。


夜からは取材があるため夕方には家を出なければならない。


慶介はわずかな休息の時をベッドで横になっていて過ごしていた。


そして、考えるは翔太の事。


翔太が自分と距離を置いているような気がして仕方がなかった。


少し前はしつこいほど来ていたメールも今は皆無。


しつこかったあの時期には恐怖を感じたが、まったくないというのは寂しく、不安に包まれる。


翔太が自分へしつこい分、自分が好きな距離を保てたあの頃が思い出される。


自分のわがままさは重々承知しているが、自分から翔太にメールを送ることをしなかった。


実際の所、送りたくてもどう送って良いのかが分からなかった。


寂しさを紛らわすように、まめに送られてくるようになった治のメールに返信する。


とはいえ、会ったことのない相手とのメールで癒えるわけもなく、逆に空しさはつのっていく。
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