Dear・・・

翌朝[Osamu.side]

翌朝、目を覚ますと、何とか頭痛は治まっていた。


香子はゆっくりと会社へ行く準備を始める。


そして、一階へ朝食の準備で降りていった。


その間、治はさりげなく香子の行動を見ていた。


もしかして、中身を見ていなかったのであろうか。


でも、昨日のあの瞬間の香子の顔はあの夜と似ていた。


意外と冷静な香子に治は戸惑っていた。


下から香子の呼ぶ声がする。


治は、下へと向かった。


テーブルを囲い、食事を始めた時、香子が珍しく治に話しかけた。


「お父さん」


治は目を見開き香子を見る。


「八月初め辺りから新潟に帰ろうかと思うんやけど」


「おじいちゃんとこ行くの?やったー」


治の返事を聞く前に、綾が騒ぎ始めた。


その姿に、特に用事のない治が断れるはずもなく、二つ返事で了承した。
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