Dear・・・

楽屋[Reito.side]

八月に入りうだるような暑い日が続く中も、慶介たちは日々、仕事に追われていた。


今日はテレビの収録。


そして、明日は慶介の地元でのサマーライブ。


さすがの五人も、この多忙さは飽き飽きしていた。


「あー!こんな忙しかったら溜まっちゃうよ。ゆいちゃーん!」


楽屋に響き渡る智貴の声。


「うるせえな!それにゆいちゃんって誰…だよとか聞くのはよしとくよ…」


礼人が智貴の話に突っ込むも、相手をするのに疲れ中途半端で話を止めた。


五人の顔は僅かにやつれ、顔から疲れがにじみ出ている。


待ち時間、それぞれに時間を潰すが、大体は寝そべりなるべく疲れをとろうとしている。


その中、慶介一人、部屋の端で丸まっていた。


新潟に帰省している治からの連絡は疎遠で、慶介は心の拠り所を一切なくしていた。


礼人はそんな慶介の思いつめた表情がやけに目に付く。
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