Dear・・・
新潟[Osamu.side]
「やめろよ」
その言葉を最後に電話は途切れた。
慶介側に何が起きたか察しかねるが、非通知のため掛けなおす事が出来ない。
香子は携帯をそっと閉じ、治の手へと手渡した。
そしてゆっくりと家へと足を向けた。
「何も言わないのか?」
何も言わずに立ち去ろうとする香子に、耐え切れずに問いかけた。
香子は治を見る事無く、背を向けたまま話し始めた。
「私は何も見なかった。何も聞かなかった。私には子どもがいるんです。中一と小五の」
それだけ言うと、再び歩き始めた。
その言葉に、治は返す言葉もなくただその場に立ち尽くした。
と、再び香子の足が止まった。
そして、先ほどとは違い、治の方を向いた。
「あなたが何をしようとかまいません。でも、子どもも大きくなって、これからどんどんお金がかかります。だから毎月バイトでも何でもして一定のお金を家に納めてくださいね」
そう告げると、香子は家へと入っていった。
その言葉を最後に電話は途切れた。
慶介側に何が起きたか察しかねるが、非通知のため掛けなおす事が出来ない。
香子は携帯をそっと閉じ、治の手へと手渡した。
そしてゆっくりと家へと足を向けた。
「何も言わないのか?」
何も言わずに立ち去ろうとする香子に、耐え切れずに問いかけた。
香子は治を見る事無く、背を向けたまま話し始めた。
「私は何も見なかった。何も聞かなかった。私には子どもがいるんです。中一と小五の」
それだけ言うと、再び歩き始めた。
その言葉に、治は返す言葉もなくただその場に立ち尽くした。
と、再び香子の足が止まった。
そして、先ほどとは違い、治の方を向いた。
「あなたが何をしようとかまいません。でも、子どもも大きくなって、これからどんどんお金がかかります。だから毎月バイトでも何でもして一定のお金を家に納めてくださいね」
そう告げると、香子は家へと入っていった。