Dear・・・

店内[Reito.side]

慶介が携帯を持って席を外して数十分。


そして、慶介を追って翔太が店を出て数分。


二人が帰ってくる気配が一向にない。


礼人は心配になり、店の入り口をしきりに目をやる。


そんな礼人の行動に気づいた博昭が礼人の隣に座った。


「入り口気にしてどうしたの?誰?女かなんか来るの?」


礼人はそんな軽いノリの博昭に、軽く苛立ちを覚える。


「女じゃねえよ。慶介と翔太が店出てったんだけどさ、全然帰ってくる気配ないし。最近仲悪かったじゃん?あいつら。殴り合いの喧嘩とかになってたらまずいじゃん」


博昭に答えつつも、やはり気になる入り口を見る。


幼なじみの博昭の事だ。


自分以上に心配し、そのまま店を出て行ってしまうんではないだろうか。


そう思い、礼人は博昭を見た。


しかし、博昭は礼人が思っていたのとは全く違い、まるで礼人を小ばかにするように声を上げて笑った。
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