Dear・・・
「そんな嫌がらないで。楽しそうだったから混ぜてもらおうかと思ってね。そうそう、今日お母さんから花束が届いたのよ。見て、綺麗なひまわり」


女性はひまわりを青年に見せる。


「お庭に咲いてるんですってね」


「俺がここに入ってから一回も見舞いにこないくせに…」


青年は嫌そうに女性を見つめて言った。


だが、女性は笑顔で花瓶に花を生ける。


部屋を出る気配のない女性に嫌気が差し、青年は渋々口を開いた。


「何で翔太と話してると先生いつも邪魔に入るのさ。特に用ないならもう出てってよ」


そう言うと膝を抱え顔を埋め、体全体で女性を拒絶した。


声は心なしか震えている。
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