Dear・・・
去年、姉が嫁いだため、今は母と母方の祖母の三人で暮らしている。


「お祖母ちゃん。お母さんは?」


呼んだわりにさっさと店先に戻っていた祖母を呼ぶ。


「今何時だと思ってんだい。もうとっくに出かけたよ。そうだ、ご飯だしてあげるね」


孫の声にゆっくりと立ち上がり、慶介へと近づいてくる。


なら店先にわざわざ行かず、階段下にいれば良かったのに、と思いながらも、ゆっくりと近づく祖母をただひたすら待つ。


「慶ちゃん今日はどこか出かけるのかい?」


やっと慶介までたどり着いた祖母は、慶介の手を借り、さらに台所を目指す。


「今日は何にも用事ないから、家にずっといようかなって」


最近ほとんど家にいない孫の言葉に、祖母は満面の笑みを浮かべる。


「そうかい。じゃあ、ゆっくりテレビでも見てなさい。今、お祖母ちゃんおいしいの作ってあげるからね」


そう言われ、慶介は居間に行き、片付けそびれたコタツに入り、テレビを付けた。


たまにはこんな日もあっていいものだと、自室に携帯を置いたまま、ゆっくりとテレビに集中した。
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