Dear・・・

G.W[Osamu.side]

ゴールデンウィーク。


久々に家族で出かけようと、秋山家はちょっと離れたテーマパークへと向かっていた。


車内は子供たちの好きな流行の曲。


綾は渋滞のためまだ着きそうにないこの状況でも、楽しくてしかたがなかった。


最初に何に乗るか、ご飯はどこで食べるか、後部座席から身を乗り出し、助手席の母と相談する。


和也はそろそろ思春期だからか、もの静かにゲームをしていた。


「お兄ちゃんは楽しみ違うの?」


母が後ろを振り向き尋ねた。


別に、とだけ返し和也は黙々とゲームを続ける。


「嘘や。昨日、お兄ちゃんパソコンでなんか調べてたやん」


「あほ、言うなや」


和也は物知りなのを母に見せたく、昨夜テーマパークについて調べしていたのだ。


それを、綾にバラされ急いで止める。


車内には笑いが溢れる。


治もなんとか会話に入り笑顔を浮かべてみるものの、途方もない車の列に頭を痛め、煙草の量も必然と増える。


どんな時でも繋がりがほしく、携帯の番号だけならずメールアドレスも愛しい少年へと教えた。


そのため運転中であっても、いつメールが来るか、と常に意識は胸ポケットにしまわれた携帯へと向いていた。
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