Dear・・・

学校[Syota.side]

「おい翔太。今日帰り暇?」


翔太が講義終わりに友人二人に呼び止められた。


「何で?」


「今日合コンなんだよ。メンツ一人足りなくてさ」


二人は翔太を挟む。


「俺、いいよ。合コンとか興味ないし」


合コンと聞いた翔太は、振り向いて損したと言わんばかりにその言葉を言い捨て、二人より少し早めに歩いていく。


「別に良いじゃん。彼女いないんだし」


合コンの誘いを入れるときいつも言われるこのフレーズ。


聞き飽きた。


恋人がいないことを否定することなく、少し苛立ちながら翔太は肩を組んできた友人の手をすぐに下ろした。


何とか翔太を誘いたい二人は、なかなか諦めずに翔太の後をついて来る。


その間にも、今日来る女の話を延々としている。


「付いて来るなよ」


「いやいやいやいや、次授業一緒じゃん」


授業中ずっとこのプレゼンは続くのかと、翔太は落胆の中、席についた。


悪いやつらではないのだが、女のこととなると時たま面倒になる。


「熱く語ってもらって悪いけど、今日夜飲みに行くから本気無理」


まだ何か言いたげだが、それ以上何も言わなくなった。


やっと訪れた静けさに、翔太は頬杖を付き窓の外を眺めた。
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