Dear・・・
第四章・戸惑い
夜[Osamu.side]
落ち着きのない治に、香子の我慢は限界に達していた。
落ち着きが無いというよりは、興奮をしていると描写した方が正しいような気がするが、まあ、どちらにしろ香子の苛立ちは変わらない。
食後はいつも二階に上がるというのに、今日の治はテレビの前のソファーに寝そべり、かと思ったら二階へ上がりすぐに降りてくる。
そして、しきりに時計を気にする。
夕方、香子が仕事から帰宅してからずっとこんな調子だ。
子どもたちは父親の落ち着きのなさも、母親の苛立ちも感じ取り、そそくさと二階へ上がって部屋に篭ってしまった。
今、リビングには香子と治の二人きり。
やはり、治は時計を気にする。
香子は、治の存在を無視し、夕食の片付けをするが、ちらちらと見える治の姿がどうも気にかかる。
とうとう貧乏ゆすりを始めた治。
「あんた、ちょっとは落ち着いたらどないやの」
持っていた食器を力強く机に置き、大声で香子が言った。
治は驚き振り返った。
そこには怒りに震える香子の姿。
「すまない」
と謝ると、治は二階へと上って行った。
落ち着きが無いというよりは、興奮をしていると描写した方が正しいような気がするが、まあ、どちらにしろ香子の苛立ちは変わらない。
食後はいつも二階に上がるというのに、今日の治はテレビの前のソファーに寝そべり、かと思ったら二階へ上がりすぐに降りてくる。
そして、しきりに時計を気にする。
夕方、香子が仕事から帰宅してからずっとこんな調子だ。
子どもたちは父親の落ち着きのなさも、母親の苛立ちも感じ取り、そそくさと二階へ上がって部屋に篭ってしまった。
今、リビングには香子と治の二人きり。
やはり、治は時計を気にする。
香子は、治の存在を無視し、夕食の片付けをするが、ちらちらと見える治の姿がどうも気にかかる。
とうとう貧乏ゆすりを始めた治。
「あんた、ちょっとは落ち着いたらどないやの」
持っていた食器を力強く机に置き、大声で香子が言った。
治は驚き振り返った。
そこには怒りに震える香子の姿。
「すまない」
と謝ると、治は二階へと上って行った。