Dear・・・
Bar[Keisuke.side]
時間はまもなく午前0時をまわろうとしている。
智貴の母の店に、若者の笑い声が響き渡る。
予定日とズレたため、集まったのは代わり映えのしないメンバー五人と元メンバーの博昭を含めた六人だけ。
だが逆に、気の知れた仲間だけのため気楽に場は盛り上がっていた。
テーブルの周りには空になったボトルやグラスが散らばっている。
「んじゃ、そろそろ俺ら帰るわ」
慶介が席を立ち、翔太と博昭に呼びかける。
「明日も学校あるだろ。帰るよ」
「良いじゃん、学校なんて。今日泊まってっちゃえよ」
智貴が茶化して言うが慶介は一蹴し、帰る準備を始めた。
慶介はこの後、翔太の家へ行くことを考えそわそわとしていた。
だが、ちらりと見る翔太は特にいつもと変わらぬ表情を見せている。
どうしてそんなにも落ち着いていられるのかと重いながら、慶介は翔太から視線をそらした。
と、慶介の横で全く帰る気配のない博昭が目に入った。
「おい、博昭何してんだよ、帰るぞ」
「やだ。俺、帰らねぇ」
酔うと駄々をこねるのはいつもの事。
歩くのが面倒なだけだろうと、慶介は特に気にする事無く博昭の腕を掴んで立ち上がらせようとした。
しかし、一向に博昭は立ち上がろうとはしない。
「ガキじゃねえんだから、意味分からんねえ事すんなよ」
呆れた慶介は強い口調で言った。
「ほら、さっさと帰るぞ」
「昨日、母ちゃんと喧嘩したんだもん。絶対帰らないから」
そう言い博昭は慶介の腕を振り払うと、椅子から落ち床に座り込んでしまった。
まるで欲しいものを買ってもらえず駄々をこねている赤ん坊だ。
外野の礼人はその姿をけらけらと笑っている。
慶介は呆れてものが言えず、頭を掻いてただ博昭を見つめることしかできなかった。
智貴の母の店に、若者の笑い声が響き渡る。
予定日とズレたため、集まったのは代わり映えのしないメンバー五人と元メンバーの博昭を含めた六人だけ。
だが逆に、気の知れた仲間だけのため気楽に場は盛り上がっていた。
テーブルの周りには空になったボトルやグラスが散らばっている。
「んじゃ、そろそろ俺ら帰るわ」
慶介が席を立ち、翔太と博昭に呼びかける。
「明日も学校あるだろ。帰るよ」
「良いじゃん、学校なんて。今日泊まってっちゃえよ」
智貴が茶化して言うが慶介は一蹴し、帰る準備を始めた。
慶介はこの後、翔太の家へ行くことを考えそわそわとしていた。
だが、ちらりと見る翔太は特にいつもと変わらぬ表情を見せている。
どうしてそんなにも落ち着いていられるのかと重いながら、慶介は翔太から視線をそらした。
と、慶介の横で全く帰る気配のない博昭が目に入った。
「おい、博昭何してんだよ、帰るぞ」
「やだ。俺、帰らねぇ」
酔うと駄々をこねるのはいつもの事。
歩くのが面倒なだけだろうと、慶介は特に気にする事無く博昭の腕を掴んで立ち上がらせようとした。
しかし、一向に博昭は立ち上がろうとはしない。
「ガキじゃねえんだから、意味分からんねえ事すんなよ」
呆れた慶介は強い口調で言った。
「ほら、さっさと帰るぞ」
「昨日、母ちゃんと喧嘩したんだもん。絶対帰らないから」
そう言い博昭は慶介の腕を振り払うと、椅子から落ち床に座り込んでしまった。
まるで欲しいものを買ってもらえず駄々をこねている赤ん坊だ。
外野の礼人はその姿をけらけらと笑っている。
慶介は呆れてものが言えず、頭を掻いてただ博昭を見つめることしかできなかった。