Dear・・・
スタジオ[Keisuke.side]
あの朝以来、慶介と翔太の間に微妙な距離が出来ていた。
目を合わせることも無ければ、会話を交わすこともない。
スタジオで藤田を待っている今も、その状態は続いている。
他も、翔太と慶介の仲がぎくしゃくしているのには薄っすら気づいているが、ただの喧嘩ごときに首を突っ込むのも面倒だと、誰も関わろうとしなかった。
ヘッドフォンを付け、まるで外界との接触を拒んでいるかの様に見える翔太。
誰とも話す事無く、ソファーに座り本を読んでいる。
慶介はその翔太の姿を、スタジオの隅で寂しそうに見つめていた。
翔太に謝る機会を伺いつつも、頭には会ったことのないメール相手のことがあった。
相手の下心は重々分かっている。
しかし、異常な相手の言葉のみしか自分の存在意義を見いだす事ができないのも事実。
様々な事が頭を駆け巡り、気が滅入った慶介は、椅子の上で膝を抱え俯いた。
「元気ないじゃん。どうしたの?」
急に博昭に話し掛けられた。
今日は博昭が暇つぶしついでに、優人に来ていた。
その明るい博昭の声に、慶介は心のどこかで安らぎを覚える。
「別に。最近、なんか忙しいし疲れちゃってさ」
「翔太となんかあったでしょ」
慶介のその場しのぎの言葉など全く聞かず、核心を付いた言葉が博昭の口から出た。
慶介は返す言葉に困り、目を泳がせる。
目を合わせることも無ければ、会話を交わすこともない。
スタジオで藤田を待っている今も、その状態は続いている。
他も、翔太と慶介の仲がぎくしゃくしているのには薄っすら気づいているが、ただの喧嘩ごときに首を突っ込むのも面倒だと、誰も関わろうとしなかった。
ヘッドフォンを付け、まるで外界との接触を拒んでいるかの様に見える翔太。
誰とも話す事無く、ソファーに座り本を読んでいる。
慶介はその翔太の姿を、スタジオの隅で寂しそうに見つめていた。
翔太に謝る機会を伺いつつも、頭には会ったことのないメール相手のことがあった。
相手の下心は重々分かっている。
しかし、異常な相手の言葉のみしか自分の存在意義を見いだす事ができないのも事実。
様々な事が頭を駆け巡り、気が滅入った慶介は、椅子の上で膝を抱え俯いた。
「元気ないじゃん。どうしたの?」
急に博昭に話し掛けられた。
今日は博昭が暇つぶしついでに、優人に来ていた。
その明るい博昭の声に、慶介は心のどこかで安らぎを覚える。
「別に。最近、なんか忙しいし疲れちゃってさ」
「翔太となんかあったでしょ」
慶介のその場しのぎの言葉など全く聞かず、核心を付いた言葉が博昭の口から出た。
慶介は返す言葉に困り、目を泳がせる。