はいべえさん
そんな時だった。
ピコーンピコーン
またもや、LINE通知がきた。
春奈とは、さっきバイバイって言ったばっかりだから、多分春奈ではない誰かだろう。
「だれかな…」
開けてみるとそこには【はいべえさん】の文字。
「―――いやっ…、なに!!」
あまりに驚いて、スマホを床におとしてしまった。
おとされた、スマホの画面が【はいべえさん】と表示している。
「……はいべえ…さん?」
あの、はいべえさんとでも言うの?
いや…そんなはずはない。
LINE上に、存在するわけなど、ないのだから。
その日は結局、【はいべえさん】からのメッセージを見ることはなかった。
見たくなかった、恐怖など味わいたくもない。
明日は、土曜日。
無事に、講習会が終わることを祈ろう。
「今日は……本当に疲れた。体力がもたないよ…」
疲れ果てた体をベッドに沈めて、明日も平穏に終わることをを祈る。
「私は……都市伝説なんて…信じないんだから」
強気だった。
もう…疲れた…ねなくちゃ…。