俺様悪魔王子が溺愛したとき
すると、教室から声が聞こえた。
なんとなく入りにくくて、息を潜め
その声の主がいなくなるまで待っていようと思った。でもそれが間違いだったのかもしれない。
「優羽ってさ、どうなの?
キスとかも上手いわけ?」
あの頃、1番仲の良かった男友達のこえが聞こえた。
ドキッ 俺!? てことは話してるのは綺苺か。なんて言うんだろう。。
「えー?優羽〜?ほんっとこの歳にもなってありえないほど奥手!
なーんか、顔はかっこいいと思って告白したけど、つまんなすぎて冷めてる。なーんにもしてこないんだよ!?この間初めて手繋いだの。まじ、いくつだよって思ってさあ」
愕然とした。大事だと思って
手を出さずにいたのは伝わってなかったんだと今気づいた。
「まじで!?すんげぇ意外。
そんなんだったらさ...俺の方が綺苺のこと満足させてあげられると思うんだよね。どう?」
「ふふ、私を満足させてよね」
その言葉を最後に、教室からは
綺苺の甘い声だけが響いていた。
"帰ろう。忘れ物は何とかなる"
そう思い帰路についた。
俺の親友と彼女、一気に2人から裏切られるなんて思ってもみなかった。
それからだった、もう女なんて信じないと決めたのは。