俺様悪魔王子が溺愛したとき

ドキ...

あれ?なにこれ。

ぎゅっと締め付ける胸の鼓動。


私はこの胸の鼓動の名前が何なのか
この時の私にはわからなかった。

「おい、美羽?大丈夫か?」

何も言わない私が心配になったのか
不安そうに顔を覗き込む。

「っ!だ、大丈夫!ありがとう、心愛には話したかったから。」

「ああ」

「じゃあ、行くね。」

早く心愛に全部話したい、今までのこともこの鼓動がなんなのかも。

「待て。」

優羽は私の手首をぎゅっと掴んで離さない。

ドキドキ...

まただ。なにこれ。

「あのさ、日曜暇だよな?」

「へ?」

「へ?じゃなくて日曜出かけるけど、もちろん暇だよな?」

「暇って決めつけないで!たまたま日曜は空いてるけど!」

たまーに心愛と出かけるもん。

「ふーん、まぁいいけど。じゃあ、日曜のことは後で連絡するわ。じゃ。」

そう言って私の頭をひと撫でして去っていった。

「う、うん。」

早く心愛に聞きたい、話したい。

そう思って携帯を開くと、心愛からメールが来てた。

"ごめん!今日早く帰らなきゃだから、先帰るね!また明日"

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