不埒な恋慕ごと。
第2章
3年前の夏休み、当時中学3年生だったわたしと菜々と孝輔は、地元でも一番大きな塾に通っていた。
そこの塾では、授業について行けるように、成績のいい順にAクラス、Bクラス、Cクラスと分けられていた。
授業を終えてわたしがAクラスの教室から出ると、丁度Bクラスの教室から、孝輔と菜々が顔を出した。
「あーっ、お姉ちゃんってば聞いてよー!」
わたしに気が付いた菜々が、孝輔の方を指さしながらわたしの元へ駆け寄ってくる。
「望月ってばねー、あたしよりバカなくせに、あたしのことバカだって言うんだよー?」
菜々の言葉にカチンときた様子の孝輔が、眉をつり上げてムッとした顔をする。
「はあー?だってお前、さっき、自信満々で答えた問題、全然違ってたじゃねーか。」
「何言ってんの、間違いくらい誰だってあるもん!それにあたし、それでも望月より模試の点数よかったもんね!!」
わたしはどんぐりの背比べをし合うふたりの間にまあまあ、と慌てて入った。
「どっちもBクラスなんだし、……同じじゃない。」
睨み合っていた2人の視線が、一気にわたしに集まる。
……しまった、全然場が収まるようなこと、言えていない。
寧ろ怒りの矛先が、自分の方へ向いてしまった。
そこの塾では、授業について行けるように、成績のいい順にAクラス、Bクラス、Cクラスと分けられていた。
授業を終えてわたしがAクラスの教室から出ると、丁度Bクラスの教室から、孝輔と菜々が顔を出した。
「あーっ、お姉ちゃんってば聞いてよー!」
わたしに気が付いた菜々が、孝輔の方を指さしながらわたしの元へ駆け寄ってくる。
「望月ってばねー、あたしよりバカなくせに、あたしのことバカだって言うんだよー?」
菜々の言葉にカチンときた様子の孝輔が、眉をつり上げてムッとした顔をする。
「はあー?だってお前、さっき、自信満々で答えた問題、全然違ってたじゃねーか。」
「何言ってんの、間違いくらい誰だってあるもん!それにあたし、それでも望月より模試の点数よかったもんね!!」
わたしはどんぐりの背比べをし合うふたりの間にまあまあ、と慌てて入った。
「どっちもBクラスなんだし、……同じじゃない。」
睨み合っていた2人の視線が、一気にわたしに集まる。
……しまった、全然場が収まるようなこと、言えていない。
寧ろ怒りの矛先が、自分の方へ向いてしまった。