不埒な恋慕ごと。
わたしがひとり項垂れていると、じっと見ていた自分の爪先の前に、綺麗なスニーカーが現れて、
すぐに顔を上げると、端正な顔がわたしを見つめていた。
疑問に思って見つめ返すと、朝霧くんは言った。
「寧々ちゃんも、どう?」
「え……。」
勝手に飛び出た変な声を恥ずかしく思いながらも、恐る恐る朝霧くんの後ろにいる菜々に目配せをすると、口を大きくあけて『こ』『と』『わ』『れ』と伝えてきた。
しかし、咄嗟にいい言い訳は出て来ず、
「ごめん、夕飯の準備が……。」
出て来たのは、午後2時の今にはとても苦しい言い訳だった。
「途中までで、いいから。俺だけじゃ、正直うまく教えられる自信ないし。」
「……でも、」
言い返せなくなって口ごもり、菜々にまた視線を送ると、大きなため息をつく呆れた表情が目に入った。
でも、このほうが側で見守れるし、わたしとしてはよかったかも……。
そうして3人で、昨日と同じ図書館に向かうことになった。
すぐに顔を上げると、端正な顔がわたしを見つめていた。
疑問に思って見つめ返すと、朝霧くんは言った。
「寧々ちゃんも、どう?」
「え……。」
勝手に飛び出た変な声を恥ずかしく思いながらも、恐る恐る朝霧くんの後ろにいる菜々に目配せをすると、口を大きくあけて『こ』『と』『わ』『れ』と伝えてきた。
しかし、咄嗟にいい言い訳は出て来ず、
「ごめん、夕飯の準備が……。」
出て来たのは、午後2時の今にはとても苦しい言い訳だった。
「途中までで、いいから。俺だけじゃ、正直うまく教えられる自信ないし。」
「……でも、」
言い返せなくなって口ごもり、菜々にまた視線を送ると、大きなため息をつく呆れた表情が目に入った。
でも、このほうが側で見守れるし、わたしとしてはよかったかも……。
そうして3人で、昨日と同じ図書館に向かうことになった。