不埒な恋慕ごと。
*****
痺れるような感覚を拭いきれずに、タオルケットを被ってソファにぐったりとしていると、上半身だけ裸の蒼生くんが、コップに水を注いで持ってきてくれた。
「……ごめん、身体、痛い?」
無言でじっとりとした睨みつけるような視線を送ると、蒼生くんは何故か、意地悪な顔をした。
「……寧々ちゃんって、本当、意外だよね。いつもは大人しそうな顔してるのに、さっきは、」
言葉を紡ごうとした蒼生くんの口を、身体を起こして慌てて両手で押さえつける。
顔を真っ赤にしてあたふたするわたしを見て、蒼生くんはひとしきりくすくすと笑ったあと、
「じゃあ、……また明日。ごめんね、寧々ちゃん。」
わたしの頭を優しく撫で、この部屋を出て、隣の部屋へと帰って行った。
『また明日。』それは、いつまで続くんだろうと思いながら、毎日過ごしてもう1年。
そして、……そのあとの『ごめんね。』の意味がわからないまま、もう1年。
……本当はただ、わかりたくないだけなのかもしれない。
蒼生くんの苦しそうな顔を見れば、すぐにわかる。
わたし達は、……別に恋人同士という訳ではない。
それが、何よりの証拠だった。
痺れるような感覚を拭いきれずに、タオルケットを被ってソファにぐったりとしていると、上半身だけ裸の蒼生くんが、コップに水を注いで持ってきてくれた。
「……ごめん、身体、痛い?」
無言でじっとりとした睨みつけるような視線を送ると、蒼生くんは何故か、意地悪な顔をした。
「……寧々ちゃんって、本当、意外だよね。いつもは大人しそうな顔してるのに、さっきは、」
言葉を紡ごうとした蒼生くんの口を、身体を起こして慌てて両手で押さえつける。
顔を真っ赤にしてあたふたするわたしを見て、蒼生くんはひとしきりくすくすと笑ったあと、
「じゃあ、……また明日。ごめんね、寧々ちゃん。」
わたしの頭を優しく撫で、この部屋を出て、隣の部屋へと帰って行った。
『また明日。』それは、いつまで続くんだろうと思いながら、毎日過ごしてもう1年。
そして、……そのあとの『ごめんね。』の意味がわからないまま、もう1年。
……本当はただ、わかりたくないだけなのかもしれない。
蒼生くんの苦しそうな顔を見れば、すぐにわかる。
わたし達は、……別に恋人同士という訳ではない。
それが、何よりの証拠だった。