王子様少女とお姫様少年




初めて心配された。




いじめられた時だって親は心配してくれなかった…。




それから、誰も信じられなくなった。




「だ、大丈夫かよ?!よしよし」




私は、イケメンくんに優しくギュッと抱きしめられた。




何年ぶりだっけ?誰かに抱きしめられたの…



そして、私は心がポカポカ暖かくなった。



「いい加減離れてよ!僕の優ちゃんに」




「あっ…!てか、早く帰んねぇと…。一人で大丈夫か?送って行きたいんだけどさ…」



大丈夫だけど…



「大丈夫です!」



でも…



「名前と学校教えてください!」




それだけは聞きたかった。




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