王子様少女とお姫様少年






「だってさ…勝ち目ねぇんだもん。この際にお前の事、俺のもんにしようって思ったけどさ…」


ウチは、黙って南雲の話を聞いた。


「ムリだった。この場にいないのにさ、お前はずっと姫路の事ばっかり話すんだぜ?」


「は…?」


「自覚なかったのかよ…でも、まぁ…今日はお前と居れて楽しかった。」


そう言って悲しそうに話す南雲。


「…おう。」


「まぁ、友達って事で。普通に接してくれ。相談とか聞いてやるし?姫路の事頑張れよ」


「…おう」


「じゃあな」


「おう。好きになってくれてありがとなー!!」


どういたしましてと言って南雲は去っていた。


< 59 / 284 >

この作品をシェア

pagetop